ニュースレター36号

空が澄み清々しい秋を感じる頃となりました。近くの遊歩道では金木犀が花盛りで、よい香りを一面に漂わせています。
皆様の体調はいかがでしょうか‥ 新型コロナに加えてインフルエンザの流行も始まっています。何とか乗りこえていきたいものです。7月に予定され、会場の都合で延期となっていた西澤哲先生の講演会を12月9日(土)に開催することになりました。たくさんのご参加をお待ちしております。

2023年度 事業報告(4 月~9 月)

4 月 27 日 第 1 回 理事会・運営委員会
5 月 27 日 講演会「こども虐待と親との関わり」水戸市
題 16 回 定期総会
6 月 8 日 第 2 回 理事会・運営委員会
7 月 13 日 第 3 回 理事会・運営委員会
9 月 2 日 第 4 回 理事会・運営委員会
9月 29 日 茨城県自立援助ホーム研修会
●オレンジライン(電話相談)毎週 月・水・木(10:00~15:00)
●オレンジサロン(虐待体験者の居場所)毎週第 2・3・4 木(水戸・つくば)
●児童養護施設・里親から巣立った若者への食糧支援(月 1 回)

最近の人権、こどもの虐待をめぐる動き

ネットワークあい 仲根 泰子

・現在、こども家庭庁はこどもと接する職場で働く人に性犯罪歴がないことの証明を求める制度の新設を検討しています。この制度の対象は学校、保育所などでは義務とし、学習塾などは義務づけしない認定制にする方向だと報道されています。性犯罪は被害者のショックが大きいことから、なかなか表面化しづらいことは、ジャニーズ喜多川氏の被害者が証明しています。学習塾、こどもを対象としたスポーツクラブや芸
能事務所等民間団体にも目が届くような制度、こどもが被害を訴え易い環境、大人がこどもの訴えにきちんと向き合うような教育も必要ではないでしょうか。さらに性教育も人権の観点から教えていく必要があると思います。いまだに寝た子を起こすな、という考え方をする人がいるようです。このような考え方では被害者を二次被害に追いやることもあり、ますますこの問題を密室化しかねません。新たな制度化には漏れのない制度設計を望みたいと思います。

・ジャニー・喜多川氏による性加害が大きな問題になっています。加害者本人はすでに亡くなっていることが問題を複雑にしているようです。被害者は小学生の年代からの被害を訴えています。
これは 児童虐待であり性犯罪です。一番年上の方は 50 代になり 400 人以上の男児が被害を受けたという事実には驚かされました。問題の解決にはかなりの時間がかかることが予想されますが、私達も性虐待は男の子でも起きること、虐待者は親だけではなく、顔見知りが多いことを理解する必要があると思います。そしてこどもの異変に気付けるように、また相談しやすい環境づくりが必要なのではないでしょうか。大人は常にこどものちょっとへんだ、ということに敏感でありたいと思います。

・埼玉県議会虐待禁止条例改正案が提出されてすぐ撤回されました。この条例案ではこどもを一人にしておけば虐待にあたるので、発見時の通報を義務付けるというものです。この改正案が提出されると、埼玉県民から批判が殺到したと報じられました。確かにいろいろ問題がある条例案ですが、一つの問題提起をしたとも考えられないでしょうか?

最近、こどもの置き去りによってこどもが死亡する事件こどもの連れ去り事件、親不在時の火災による死亡事件等、こどもの安全に関わる問題が多いと感じます。こどもは大人のように 状況判断ができません。こどもの安全を守るのには家庭だけの責任にするのではなく、地域でできること、行政ができること、民間団体の役割等、ネットワークがあってこどもの安全が守れるのではないでしょうか。

12 月 9 日に西澤哲先生をお招きします

西澤先生のお話を初めて聞いたのはもう 20 年以上前になる。児童養護施設職員として駆け出しの頃で、虐待を受けた子どもたちの対応に四苦八苦していた頃だ。西澤先生の話の特徴は「わかりやすい」と言うことだ。とにかく「わかりやすい」。子どものトラウマについて、それによってどのような状態になっているかなど一見すると難しい内容なのだが、納得がいく、スッと心に落とし込んでいく不思議な感覚になる。関西弁と冗談を交えながら進んでいく話は、本当にあっという間に時間が過ぎる。
虐待を受けるなどして育った子どもの関わりは大変なことが多い。子どもたちに何が起きていて、子どもの言動のどこに注目すべきなのか、その一助になる話が聞けると思う。ぜひご期待いただきたい。

講演会『不適切な養育を受けた子どもの心の理解とその対応』お申込み情報

いばらき子どもの虐待防止ネットワーク理事 関貴教

「子どものトラウマ」読みました

アメリカでは、1963~1967に「虐待報告義務法」が制定されたそうです。
その内容は、虐待を知った場合、もしくは、その存在を疑った場合には、しかるべき機関にその旨を報告せねばならないという義務を、子供と接する職業を持っている者に課す、というものです。私はなんとなくは知っていましたが、きちんとした歴史については、この本で学び直すことができました。ちなみに、日本で「児童虐待の防止等に関する法律」が成立したのは2000年だそうです。(インターネットより)
この本の出版は1997年です。日本が歩んできた虐待防止に関することを学べるとともに、「子どもの乱用」「小さな大人」「トラウマ」「アダルトチルドレン」などのキーワードについて学び直すことができました。
ネットワークあいで行っているオレンジサロンが、この本の最後にある「セルフヘルプ・グループ」として役立っていることも、改めて確認することができました。その後、西澤先生が書かれた「子どもの虐待」を読んだのですが、12月に行われる西澤先生の講演会を聴くことで、より新しい学びができると思います。

いばらき子どもの虐待防止ネットワークボランティア 佐藤民子

2023 年度会費納入のお願い

会員の皆様には、日頃から NPO 法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあいの活動にご理解を頂きまして、ありがとうございます。
あいは、会員の皆様の会費と活動に賛同して下さる皆様からの温かい寄付によって活動しております。あいの活動を継続していくために、本年度(2023 年度)会費を納入いただけますようお願いします。なお、既に納入頂いた会員様には心より感謝し、お礼を申し上げます。

*ATM 払込取扱票を利用してお振込みをされる場合、名前等の記入をお忘れなくお願いします。

≪ゆうちょ銀行≫ (払 込 取 扱 票)
口 座 番 号 00130-3-600272
口 座 名 いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい
◆正会員 5,000 円/年
・正会員の方は、総会に出席し、決議権があります。
◆賛助会員 3,000 円/年
・賛助会員会費は、寄付金扱いとなり、所得控除が受けられます。

寄付への感謝

ネットワークあいとは

募集中のボランティア

◎オレンジライン
相談電話番号:029-309-7670

子育てに不安のある方、子どもの頃のトラウマを抱えている方、虐待体験に悩みを抱えている方の電話相談です。

毎週月・水・木曜日:10時~15時(休み:祝祭日、年末年始、お盆期間)

過去記事

茨城子供虐待防止支援組織 水戸

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