今年も例年以上の暑さを感じる夏がやってきました。
会員の皆様、いかがお過ごしですか?
熱中症にならないように、十分気をつけて、暑さを乗り切りたいですね。
本年度の総会を 5 月 25 日(土)に開催いたしました。
― 第 17 回 定期総会・報告 –
当日の会員の参加状況は、以下の通りで総会は成立しました。
当日出席 10 人 / 委任状 36 人 (正会員数 76 人)
審議事項は原案のとおり承認されました。
議事
- 2023 年度事業報告の承認を求める件について
- 2023 年度 決算報告の承認を求める件について監査報告
- 2024 年度 事業計画(案)審議の件について
- 2024 年度 予算(案)審議の件について
お知らせ
≪第 1 号議案≫2023 年度事業報告の承諾を求める件について
・2023 年度は新型コロナウィルスがインフルエンザと同じ扱いとなる 5 類に移行したことで、感染予防対策が緩和され、従来の生活パターンにすることが可能になりました。
このため、ネットワークあいでも講演会を従来どおり行うことにしたのですが、企画の一つ、山梨県立大学の西澤哲先生の講演会が、先生のご病気により中止せざるをえない事態となりました。2024 年度中には是非、実現させたいと理事会では計画しております。・啓発事業として講演会は 2 回、5 月に常磐大学の秋山邦久先生から「子どもを虐待する親への対応」、2 月に県弁護士会から茂手木克好先生に「子どもの意見表明権と子どもの権利条約」についてお話いただきました。この講演会の後、講演会参加者有志による「子ど
もアドボカシー勉強会」がスタートすることになりました。
・里親・児童養護施設から巣立った若者への食糧支援事業は、フードバンクからの食糧提供をいただいて実施してきましたが、コロナ禍の中で、貧困家庭が増加した影響と思われますが、提供していただける食料、特に米が少なくなり、内原イオンから頂くイエローレシートで補充している状況です。
・講師派遣事業は、茨城県自立援助ホーム協議会の依頼で「性的虐待の理解」について、講師を派遣しました。
・相談事業としては、オレンジライン(電話相談)を毎週 3 回行っています。2023 年度 1年間の件数は 94 件でした。
・子どもの時に受けた虐待のトラウマから、大人になっても生きづらさを抱えている方の居場所であるオレンジサロンは、月に 3 回実施、延 55 名の参加がありました。年令は 20代~60 代までで、時間がトラウマを解決することはないと言えます。
参加者の多くが、精神科、心療内科、カウンセリングを受けており、心の傷の深さがうかがわれます。
サロンで同じ悩みを抱える者同士語り合うことによって考え方が前向きになって、就職、ボランティア活動など、外に向かって活動を始める姿が見受けられます。
≪第 2 号議案≫2023 年度決算報告の承認を求める件について
・2023 年度の収入は、会費と寄付のみで、事業収益、助成金等活用できなかったために、単年度において、988,572 円の赤字になりました。前年度の繰越金があったため、今年度への繰越を 855,740 円とすることができました。今年度は事業にかかる費用を助成金、又は講演会参加者に負担していただく事も考える必要があると思います。
・事務用品、日用品等については、イオンのイエローレシートを使わせて頂き大変助かっています。
以上、第 1 号議案、第 2 号議案を一括して審議し、野村監事より監査結果について適正に施行されていたとの報告があった。
会場の会員から、会員への文書の送付は郵便ではなく、メールに切り替えてはどうか、との提案があった。この件については既に理事会の決定により会員に呼びかけているが、会員からの返事がなく、切り替えられない状況にある。今後も会員への呼びかけを続けていきたい旨答えた。
*他には特に意見なく、両案については、異議なく拍手をもって承認された。
≪第 3 号議案≫2024 年度事業計画(案)の承認を求める件
・昨年実現できなかった西澤哲先生の講演会を是非実施したいと思います。
・今年度は、国連で子どもの権利条約が採択されてから 35 年、日本が批准して 30 年になります。日本は批准してから「子どもの権利」を保障する国内法の整備が遅れ、たびたび国連から指摘されてきました。やっと 2 年前にこども家庭庁ができ、子ども基本法が制定され、外観は整ったといえますが、実際に子どもの権利が守れるかどうかは、これからの大きな課題です。このことをふまえて、子どもの支援(意見表明権を中心に)について考えていく事業ができればと考えています。
≪第 4 号議案≫2024 年度予算(案)審議の件について
・今年度もかなり厳しい予算となっています。会費の納入については是非ご協力下さい。
第 3 号議案、第 4 号議案を一括して審議した結果、特に異議なく拍手をもって承認された。
秋山先生の講演会に出席して
ネットワークあい会員 根本和子
5月25日 水戸市福祉ボランティア会館で行われた、秋山邦久教授(常磐大学)の講演会に出席しました。演題は「要支援家庭に対する支援の在り方」でした。
要支援家庭と言えば、当然その対象は児童だけでなく、その親(保護者)も含まれます。
そして、親(保護者)への支援では、自分の視点からだけ見た援助ではいけないということです。相手と信頼関係を築くために、まず相手を受容する。そのためには一方的に話をするのではなく、相手の気持ちを考えて相手が受けとってくれる言葉を選ぶ(文脈を合わせる)ということが大切であるということです。
また、親が子どもの養育ができない要因を考えること。それが 1)個人的要因、2)家庭的要因、3)社会的要因等のいずれによるものなのかを見極めて、適切な援助をすることが大切であると話されていました。
今回の講演会で、相手を変えるためには、まず相手の文脈に合わせて話をすること、そして一方的に親を責めるのではなく、不適切な養育をせざるを得なくなっている要因を見つけることで、子どもが安心して暮らせる家庭に変えていける援助が可能であることが分かり、勉強になりました。
アンケート(皆様の声を・・集約しました)
・すごく分かりやすく楽しく研修させて頂きました。ありがとうございました。
・勉強になりました。2 時間があっという間に感じ、もっと聞きたいと思う内容でした。
・とても分かりやすくとても役に立つお話をたくさん伺うことが出来ました。又、秋山先生の講演を聴きたいです。
・非常に感動しました。今までの捉え方違いだらけ、今日からこの講演で得たように施行したいと思い
ます。ケースの題材これからよろしくお願いしたいです。次回も楽しみにしています。
・虐待の支援、考え方が、とても良く理解できました。
・興味深い内容で、更にひきつける技術に、最後迄楽しく、あっという間の時間でした。またお聞きした
い部分がありましたので、是非来年も参加したく思います。ありがとうございました。
・学童を支援している為に、要支援児童だけではなく、家庭支援の仕方も大切だと思い参加しましたが、実際にすぐ実行できることもあり、すぐに役立てたいと思いました。ありがとうございました。
・具体的な支援の方法が聞けて、とても勉強になりました。ありがとうございました。
・具体例が身近かな話し、つい笑ってしまうものが多く、飽きさせない講話でした。重い内容をたのしく説得力のある講話でした。
・軽妙な話し方の中にも充実した内容で飽きることなくお話を伺えました。おさらいと新しい知識を得られました。アセスメント→介入→検証のプロセスが常識になりつつあるのでしょうね。
・相手との文脈合わせ・心でなく環境を変える。
・面接技術の方法等・具体的な内容が分かり易かったです。
・面接の相手との関係の作り方、話の聴き方、分かりやすくお話しいただきました。ありがとうございました。
「子どもの意見表明等支援員を考える会学習会について」
ネットワークあい会員 桜井みどり
今年 2024 年 2 月 10 日(土)のネットワークあい主催講演会「子どもの意見表明権と子どもの権利条約」をきっかけに、子どもの意見表明等支援員について考えたい人たちが集まって、7 月 3 日(水)学習会を持ちました。茨城県子ども政策局青少年家庭課から豊田さん、江藤さんをお招きして、お話を伺いました。
令和 5 年 12 月 26 日付こども家庭庁支援局資料を基に、国の「「こどもの権利擁護スタートアップマニュアル」「意見表明支援員養成のためのガイドライン」の概要説明のあと、茨城県の状況説明がありました。
茨城県としては令和 6 年度、
児童養護施設や里親のもとで養育されるこどもの権利擁護の強化を図るため、こどもの意見・意向を聴
き取り、支援内容に反映する仕組みを構築します。
を掲げ、以下、計画・予算化されている。
I 意見表明等支援事業【9 百万円】
・意見表明等支援員の養成・確保
・一時保護所、児童養護施設等へ支援員を派遣し、聴き取った、子どもの意見を児童相談所や当該施設へ伝達
・児童相談所や施設等はこどもの意見を支援、内容をフィードバックするなど対応
II こどもの権利についての啓発【1 百万円】
・こどもの権利や意見表明の仕組みを説明した「こどもの権利ノート」の改定
・施設・里親等関係者及びこどもへ周知啓発、理解促進
茨城県では、今年度からの事業であり、やり方を含めて模索中であること。今年度中に仕組み作りをしたいこと。また、先行自治体の中には、子どもの意見表明等支援員に大学生が多く大学にサークルがあるところもあったり、子どもの意見表明等支援員を弁護士等の専門職に委託しているところもあり、茨城県も模索したいという考えも示されました。
その後、参加者の自己紹介や質疑応答がありました。
参加者は、ネットワークあい関係者、子育て支援 NPO 関係者、子どもの居場所運営者、不登校親の会主宰者、議員、スクールカウンセラー、CAP スペシャリスト、看護師、社会福祉士、元教員、元児童相談所職員、元一時保護所職員等々、さまざまな職種、経歴の人々でした。中には、すでに東京都内で子どもの意見表明等支援員として、活動している人もいました。
「子どもが本心を話せることが大事」「子どもが心を開いて話し出すまでゆっくりと待つ時間・待てる人が必要」などなど、子どもの意見表明等支援員を広く一般市民を対象にして養成する必要のあることが、どの人からも指摘されました。また、子どもが心を開くための工夫の必要性や、一時保護所や児童養護施設等の理解を得ることの難しさと大切さ等も話されました。意見表明等支援員養成講座や事業を通して、あらためて子どもの権利条約やこども基本法の理解が広まることを期待する声もありました。
1 回目の学習会でしたが、回を重ねて、茨城のよりよい子どもの意見表明等支援の仕組みづくりに役立つことを願います。
2024 年度会費納入のお願い
会員の皆様には、日頃から NPO 法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあいの活動にご理解を頂きまして、ありがとうございます。
あいは、会員の皆様の会費と活動に賛同して下さる皆様からの温かい寄付によって活動しております。あいの活動を継続していくために、本年度(2024 年度)会費を納入いただけますようお願いします。なお、既に納入頂いた会員様には心より感謝し、お礼を申し上げます。
*ATM 払込取扱票を利用してお振込みをされる場合、名前等の記入をお忘れなくお願いします。
≪ゆうちょ銀行≫ (払込取扱 票)
口 座 番 号 00130-3-600272
口 座 名 いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい
会員募集中
◆正会員 5,000 円/年
・正会員の方は、総会に出席し、決議権があります。
◆賛助会員 3,000 円/年
・賛助会員会費は、寄付金扱いとなり、所得控除が受けられます。
“NPO 法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい”
事業活動運営に、ご協力をお願いします。