4 月に入り、桜をはじめ花々が美しい季節となりました。
新年度に入って、昨年度のまとめと今年度の方針を決めるための定期総会を5 月 31 日(土)に開催することになりました。会員の皆様からもご意見を頂き、有意義な 1 年にしていきたいと思います。
また総会後、恒例の講演会には“杉山登志郎先生”においで頂き「トラウマ」について勉強したいと思います。多くの方々のご参加をお待ちしています。
◆2024 年度 事業報告(10 月~翌年 3 月)◆
10 月 11 日 第 6 回 理事会及び運営委員会
11 月 22 日 第 7 回 〃
12 月 13 日 事例検討会
12 月 18 日 第 8 回 理事会及び運営委員会
1月 24 日 第 9 回 〃
2 月 1 日・15 日 子育て相談研修会
2 月 25 日 第 10 回 理事会及び運営委員会
2 月 28 日 水戸市要保護児童対策地域協議会
3 月 12 日 訪問型家庭教育支援事業ケース会議(小美玉市)
3 月 18 日 第 11 回 理事会及び運営委員会
●オレンジライン(電話相談)毎週 月・水・木(10:00~15:00)
●オレンジサロン(虐待体験者の居場所)毎週第 2・3・4 木(水戸・つくば)
●児童養護施設・里親から巣立った若者への食糧支援(月 1 回
子どもの意見表明権と大人たち
事務局長 仲根 泰子
全国の児童相談所による 2023 年度の児童虐待相談対応件数が 3 月 25 日に厚生労働省こども家庭庁から発表されました。その件数は 22 万 5,509 件と、前年度より 5%増え、過去最多に上ったとのことです。このうち心理的虐待が約 6 割を占める 13 万 4,948 件で、そのうち7万 8,914 件(58.5%)が子どもの面前 DV だということです。このことは親世代の DV の問題の深刻さも表わしているとも言えるのではないでしょうか。
この 22 万 5509 件の中の何人が一時保護され、施設・里親等で生活するようになった
のでしょうか。一時保護、施設入所などの際児童相談所等の担当者とどんな話をしたのでしょうか。
2024 年 4 月から、子どもの意見聴取制度の運営が開始され、1 年が経ちました。「子どもの意見表明権と子どもの権利条約」については、「ニュースレター38 号」(2024 年 4 月)に歴史的な背景を掲載しました。その中でもふれましたが、子どもの権利条約を批准して30 年たって、「子どもの意見表明権」を具体化する制度として制定されたのです。子どもの権利条約は国連総会で採択され、日本も国として承認し、条約の内容を実行していく義務を負いました。しかしこの意見表明権についてはなかなか実行されず、国連から 5 回もの勧告を受け、やっと実現の方向がみえたということだと思います。
こどもの意見聴取制度がスタートした、といっても、まだ制度としての役割を果すにはほど遠い状況です。
子どもの権利条約では、「その子どもに影響を与えるすべての事柄について自由に自己の見解を表明する権利を保障するとしています。
このことは、意見表明権が保障されているのは、社会的養護の子ども達だけではなく、一般家庭の子どもも、日本で生活しているすべての子どもを対象としています。たとえば校則の問題で、服装、髪形などに細かい決まりを作って規制するなど、学校側が一方的に決めるのではなく、生徒の意見を聴取して双方の話し合いで決めるべきではないでしょうか。
日常生活の中には、子ども自身に関わることがたくさんあります。その一つ一つに子どもが「その年齢および成熟に従い」意見を聴かれる機会を保障されるべきです。
私達大人はまず身近なところから子どもの話を聴く、という習慣を身につける。ということが求められています。
「心の声を聴く、子どもアドボカシー」
〜子どもの「ために」から、子どもと「ともに」〜
ネットワークあい会員 真家 智子
先日、一般社団法人子どもの声からはじめよう代表理事の川瀬信一さんの講演を聴く機会がありました。川瀬さんは、こども家庭庁参与、千葉大学教育学部非常勤講師。子ども時代を里親家庭、児童自立支援施設、児童養護施設で過ごし、千葉市立中学校(社会科・児童自立支援施設)で勤務されたという経歴の方です。
子どもの心の声を聴くことがどんなに難しいことなのか、第三者が子どもの話を聴くことがどんなに必要なことなのかをご自身の貴重な体験も交えながらお話くださいました。
興味深かったのは、中学校で教鞭をとっていた頃、生徒どうしのトラブルがあり、その気持ちを冷静になった次の日に発表して欲しいと頼んだエピソードでした。まず、川瀬先生は頭ごなしに怒ったり、注意したりすることをしませんでした。そして、そのときの気持ちを客観的にじっくり分析して言葉にするという学びの機会を生徒は得ることができました。加害者の生徒はそのときの気持ちを頭の中に赤い怒りが出てきてガチャガチャして、相手にチャチャを入れたくなった。その後、頭の中の怒りの赤が青くなって、悲しく
なったと黒板に絵を描いて説明しました。これを聞いた被害者と傍観者が僕もそういう気持ちになることがある、一緒だよと共感したというエピソードでした。
川瀬さんご自身は、ゴミ屋敷になっていた実家や児童養護施設での生活が中学生まで続きました。そのため一般的な生活習慣を知らなかったため、新たな里親での生活の中で誤解されることが多く、それを言葉にすることの難しさを実感していたからこその対応であったのだと思います。わずか 4 ヶ月で里親生活は終わり、児童自立支援施設に移ることになるのですが、一般的な生活習慣を身につけることや言葉にすることの難しさやもどかしさなどの気持ちが、子どもの心の声を聴く、子どもアドボカシーにつながっている信念か
もしれないと思いました。実に切ない話で、どれほど川瀬少年は傷ついたのだろうと想像すると、子どもアドボカシーの活動を早く始めなければという気持ちに火がつきました。
しかし、中学生になって、里親がいいか?施設がいいか?と聞かれて、施設は友達を呼べないから里親がいいと自分で決めたので、うまくいかなかった結果も納得できたということでした。どんな里親なのか?施設のメリットやデメリットなど説明をしてくれればよかったのにと後から思ったようですが、自分で人生を決める自由、権利があったことは、誰にでも当たり前にある人権を実感し、自信を持てたのではと想像しました。
副題にもあるように、子どもの「ために」から子どもと「ともに」という気持ちで子どもアドボケイトの活動をしたいと思いました。
2025 年度会費納入のお願い
会員の皆様には、日頃から NPO 法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい の活動にご理解を頂きまして、ありがとうございます。
あいは、会員の皆様の会費と活動に賛同して下さる皆様からの温かい寄付によって 活動しております。あいの活動を継続していくために、本年度(2025 年度)会費を納入 いただけますようお願いします。なお、既に納入頂いた会員様には心より感謝し、お 礼を申し上げます。
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・正会員の方は、総会に出席し、決議権があります。
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