ニュースレター35号

大塚池の白鳥も北へ去り、若葉の季節へと移ってきました。
2022年度も“コロナ”で活躍が制限されてきましたが、最近やっと規制が緩和されてきたようですが、余波はまだまだ続きそうです。年度が変わったところで、気持ちを新たに、会員の皆様とともに、子どもの未来が明るくなるように、歩んでいきたいと思います。

↓ニュースレターの続きは、テキストでもご覧いただけます。

2022年度 事業報告(10月~3月)


10月26日 第6回 理事会・運営委員会
11月24日 第7回 理事会・運営委員会
12月16日 第8回 理事会・運営委員会
1月12日 第9回 理事会・運営委員会
2月3日 講師派遣茨城県里親連合会研修会
「社会的養護に関する司法の関与
2月4日 講演会「子どもの未来を守るために」
2月17日 第10回 理事会・運営委員会
2月18日 こみっとフェスティバル
2月24日 水戸市要保護児童地域対策協議会
3月11日 県里親連合会との連絡会
3月23日 第11回 理事会・運営委員会

●オレンジライン(電話相談)毎週 月・水・木(10:00~15:00)
●オレンジサロン(虐待体験者の居場所)毎週第 2・3・4 木(水戸・つくば)
●児童養護施設・里親から巣立った若者への食糧支援(月 1 回)

講演会「子どもの未来を守るために」に参加して

理事会 坂本 博之

1 本年2月4日(土)、茨城県庁三の丸庁舎大会議室で、茂手木克好弁護士の講演会を開催し
ました。茂手木弁護士は、平成 23 年 4 月~平成 25 年 3 月、及び平成 27 年 4 月~令和 3年 3 月の間、茨城県弁護士会子どもの権利委員会の委員長を務めてこられ、また茨城県弁護士会選出の、日弁連子どもの権利委員会の委員も務めておられ、子どもを巡る法令に深い造詣を持っています。

この度の講演では、「子どもの未来を守るために」という表題で、主に、現在、子どもを巡ってなされている様々な法改正の状況を話してもらいました。茂手木弁護士の話のテーマは多岐に亘りましたが、その一部を、以下にご紹介します。

2 まず、令和 3 年 5 月に少年法が改正されました。18 歳で成人とされたことに伴い、それまで未成年であった 18 歳、19 歳の人に対して、新たに「特定少年」というカテゴリーが設けられました。特定少年については、原則として検察官送致をする(大人と同様の刑事裁判をする、ということです。「逆送」と言われています)ことになる犯罪が拡大されました。また、特定少年が逆そうになった場合は実名報道が解禁されるとか、大人と同様の定期刑が言い渡されるとかということになります。
なお、少年犯罪も、少年の犯す凶悪犯罪も、減少傾向にあるということです。

3 次に、令和 4 年 6 月に児童福祉法が改正されました。児童虐待に関連する事項としては、児童相談所が一時保護をするにあたり、司法審査を行うということが盛り込まれました。この条項は、令和 6 年 4 月 1 日から施行されることになりますが、具体的な内容はまだ全く決まっておらず、家裁でやるのか等の基本的な事柄すらも定であるということです。
また、この度の児童福祉法改正によって、子どもに対する措置を決めるにあたり、子供本人の意見聴取を行うこととされました。子どもの意見表明権は、児童の権利条約にも明記されていることであり、当然のことながら、我が国の法律でも尊重されなければいけないことです。今後は、どのような形で意見聴取をするのか、表明された子どもの意見をどのように扱うのかということが問題になると思われます。

4 それから、親が信仰する宗教と児童虐待との関連性についての話がありました。厚生労働省は、令和 4 年 12 月に、「宗教の信仰等に関係する児童虐待等への対応に関する Q&A」という通達を出しました。親が信仰する宗教の教義を子どもに強制することが、児童虐待になるということが問題になる事例が多々あります。このような場合、児童の権利条約に、子どもの思想、良心及び信教の自由について子どもの権利を尊重すべきことが定められていることや、子ども自身が必ずしも自由意思の下で親の宗教を信仰しているとは限らないことから、児童虐待が疑われる場合には、迅速に対応する必要がある、とされています。

5 そして、現在、法制化が議論の対象となっている案件で、離婚後の共同親権の問題についての話がありました。現在の法律では、両親が離婚をすると、父か母の何れか一方を親権者として決めることになっています。現在、離婚をした後においても、父と母の両方を共同親権者として定めることも認めるべきではないかということが、国会で議論されています。現在のやり方と、共同親権を認めた場合とで、それぞれメリットとデメリットがあり、日弁連の子どもの権利委員会の中でも、意見が分かれているということでした。

6 子どもを巡る法制度には、様々な側面があります。お話しいただく時間の中では、とても語り尽くせない内容だったと思います。是非またこのような機会を儲けたいと思いました。

18 歳を過ぎた「被虐待児」


最近の電話相談に次のような内容のものが数件ありました。
それは「小さい時から、親にひどい扱いを受けていて、耐えられなくなり、警察や役所などに保護を求めたところ、「18 歳過ぎた人は保護の対象ではない。と言われ、どうしようもなかった!」というものです。

「児童」の時に親からの虐待があっても、周囲の大人が虐待と認識せず、相談や保護の対象とならずにそのまま親元で生活を続けなければならなかった子どもは、沢山いるように感じます。18 歳を過ぎて進学や就職を機会に親元を離れられた子どもの生活は、施設や里親から 1 人立ちした子どもの苦労と変わりがないように思います。

また進学、就職の機会があっても親元から離れられなかったり、無気力になってしまうこともあるかもしれません。
今、18 歳を過ぎてしまっても、施設経験がなくても利用できるシェルターと、その後の相談支援の体制が重要になってきていると思います。

今後予定されている“講演会のお知らせ”

■ 5 月 27 日(土) 「こども虐待と親との関わり」
常磐大学人間科学部心理学科教授 秋山 邦久 先生
■ 7 月 9 日(日) 「トラウマの理解と対応」
西澤 哲先生
(詳細は、後日お知らせします。)

定期総会及び講演会のお知らせ

NPO 法人は、1 年間の活動や会計について、会員の皆様に報告し適正かどうかの審議をしていただき、県に報告することになっています。今年もその時期がやってきました。
ご多忙とは存じますが、正会員の皆様には是非ご出席いただき、ご意見を賜りたいと思います。
ご都合により欠席される方は委任状(別添ハガキ)のご提出をよろしくお願いします。
今回の講演会は、常磐大学教授 秋山邦久先生に秋田中央児相相談所での経験から事例を通して親との関わり方等のお話をいただくことになりました。
是非、講演会へのご参加もお願いいたします。

会 場 水戸市福祉ボランティア会館(ミオス:2F 大研修室)
(水戸市赤塚 1 丁目 1 番地)
日 程 令和 5 年 5 月 27 日(土)
総会 13:00~13:30
① 2022 年度事業報告及び決算報告
② 2023 年度事業計画及び予算案
③ 役員改選
④ その他
講演会 14:00~15:30
「こども虐待と親との関わり」
常磐大学人間学部心理学科教授 秋山邦久 先生

2023 年度会費納入のお願い

会員の皆様には、日頃から NPO 法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあいの活動にご理解を頂きまして、ありがとうございます。
あいは、会員の皆様の会費と活動に賛同して下さる皆様からの温かい寄付によって活動しております。あいの活動を継続していくために、本年度(2023 年度)会費を納入
いただけますようお願いします。なお、既に納入頂いた会員様には心より感謝し、お礼を申し上げます。

*ATM 払込取扱票を利用してお振込みをされる場合、名前等の記入をお忘れなくお願いします。
≪ゆうちょ銀行≫ (払 込 取 扱 票)
口 座 番 号 00130-3-600272
口 座 名 いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい
◆正会員 5,000 円/年
・正会員の方は、総会に出席し、決議権があります。
◆賛助会員 3,000 円/年
・賛助会員会費は、寄付金扱いとなり、所得控除が受けられます。

寄付のお願い

◆子供服・・(幼児 2 才~6 才程度)
・未使用もしくは、美品で寄付をして頂ける品物があれば連絡をお願いします。

ボランティアのお願い

・あなたの空き時間(月・水・木 10:00~15:00)を提供していただけませんか・・

“NPO 法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい”の
事業活動運営に、ご協力をお願いします。

寄付、物資のお願い詳細

お問合せ電話番号:029-309-7690

寄付への感謝

ネットワークあいとは

募集中のボランティア

◎オレンジライン
相談電話番号:029-309-7670

子育てに不安のある方、子どもの頃のトラウマを抱えている方、虐待体験に悩みを抱えている方の電話相談です。

毎週月・水・木曜日:10時~15時(休み:祝祭日、年末年始、お盆期間)

過去記事

茨城子供虐待防止支援組織 水戸

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