ニュースレター41号

「暑いですね」というあいさつことば以外、出てこない今年の夏、いつになったら終わるのでしょうか‥この状況が普通になっていくとしたら、暑い、という前提で生活の仕方を考えるしかありません。会員の皆様、ここは頑張っていきましょう!

2025年も後半に入ります。今、考えておきたい講座を企画しました。是非ご参加下さい。


◆2025 年度 事業報告(4 月~9 月)◆

4 月 23 日 第 1 回 理事会及び運営委員会

5 月 20 日 第 2 回 〃

5 月 31 日 定期総会・講演会杉山登志郎先生 「トラウマ 心の傷をどう癒すか」

6 月 18 日 第 3 回 理事会及び運営委員会

7 月 4 日 県要保護児童対策地域協議会代表者会議

7 月 15 日 第 4 回 理事会及び運営委員会

7 月 22 日 水戸市要保護児童対策地域協議会代表者会議

8 月 6 日 第 5 回 理事会及び運営委員会

8 月 22 日 水戸市要保護児童対策地域協議会実務者会議

9 月 5 日 第 6 回 理事会及び運営委員会

 

●オレンジライン(電話相談)毎週 月・水・木(10:00~15:00)

●オレンジサロン(虐待体験者の居場所)毎週第 2・3・4 木(水戸・つくば)

●児童養護施設・里親から巣立った若者への食糧支援(月 1 回)

 


『トラウマ・・「心の傷」をどう癒すか』講演会


ネットワークあい 事務局長 仲根泰子

2025 年 5 月 31 日、福井大学子どものこころの発達研究センターの杉山登志郎先生に「トラウマ」についてお話していただくことができました。いばらき子どもの虐待防止ネットワークあいでは 2018 年 5 月にも「発達性トラウマ障害への対応と治療」という演題で話していただきました。今回はトラウマの治療について、具体的にセルフケアが可能になる形で教えていただけました。

「トラウマ」という言葉は今や日常会話の中でも使われるほど一般化していますが、トラウマには 2 種類あることを杉山先生は指摘されています。1型として、大震災、犯罪被害、交通事故など、一度だけの恐しい被害経験によるもの、Ⅱ型として、長期の戦闘体験、子ども虐待、長年の DV など、長期にわたって繰り返される怖い体験です。

1 型もⅡ型も、PTSDを発症することがあったり、フラッシュバックが起きることでは共通していますが、長期に繰り返される怖い体験の方が心身への影響が大きく、自分ではコントロールできないフラッシュバックが「いつでも」「どこでも」起きるようになります。このような症状を複雑性PTSD(複雑性心的外傷後ストレス障害)と言い、社会生活上に様々な困難をもたらすことになります。この様なことから、子ども虐待は早期発見がとても大事だと感じました。

この講演で、私の心に残ったことの一つは「フラッシュバック」(抱えきれないつらい体験)の意味です。フラッシュバックは心を守るための防衛反応として起きること、フラッシュバック自体が当事者にとってはとてもつらい体験であるが、自然に消えるものではない、 ということです。二つ目は、フラッシュバックは傾聴では改善しないこと。三つ目は、トラウマの治療についてです。トラウマ治療法の一つ【EMDR】については、福井大学の友田明美先生に講演をしていただいたことがあり、言葉ではなく、体の動きで治療する方法があることを知り、驚いた記憶があります。

杉山先生の治療法は「TSプロトコール」と言われるもので、身体処理と薬物の組み合わせで、身体処理の様子をスライドで見せていただきました。杉山先生の著書「トラウマ」にも図解されているので、治療法をイメージすることができました。その他にも様々なトラウマ治療法があることを知ることができました。

トラウマで悩む人達が自分に合った治療法を受けることができたら、助かる人が大勢いると思いますが、どこに行けばどんな治療が受けられるのか、是非知りたいと思います。ただ、この領域の専門医が少ないのは残念です。


『トラウマ・・心の傷を癒すために』講演会


杉山登志郎 氏 講演会アンケート(2025.5/31)


Q4.本日の講演会の感想をお書き下さい。

⚫ 「カウンセリングを受けると悪化する」「時間をかけた相談ではなく、短時間で話しをきちんと聞かない」目からウロコでした。体に反応が出る前に専門医に繋いであげられたら・・と改めて感じました。信頼できる専門医はどこにいらっしゃるのやら。

⚫ トラウマによる発達障害や、脳への影響についてよく分かりました。杉山先生の治療を受けた親子が、一回ごとに幸せを感じられるようになったことを知り、とても嬉しくなりました。

一般的な発達障害と、トラウマによるものをきちんと見極めることが大切だと思いました。

(学校ではプレイセラピーや傾聴がよく行われるため)

⚫ フラッシュバックの治療の難しさを知れた。

⚫ 具体的な症例について伺えて貴重な経験になりました。初めて知る疑念も多く勉強になりました。

⚫ 内容は良かった。マイクがもう 1 本あれば会場の方の質問も聞けて良かった。

⚫ 専門用語が多く、話を理解するのに時間がかかった。

⚫ 具体的にどう使えるか見えなかった。

⚫ 聞いたことのない内容が多く、来てよかったです。

⚫ 先生の本を読んで学びを深めたいと思います。とても勉強になりました。

⚫ 実際の治療の様子が参考に」なりました。

⚫ トラウマを持った人に関わる際、専門家ではなくてもできる。関わり方注意点などが知りたかった。ただ世の中にはいろいろなことを抱えている方がいる事を知ることができた。

⚫ お話しを聞けて有り難かった。

⚫ 事例が性的暴行しかなかった。性的暴行がなければ PDSD にならないイメージがある。他の事例はなかったのか?と思う

⚫ 外来の話が多く、外来に行けない私達には無理という印象がある。

⚫ 専門的な内容をわかりやすく教えていただけた。

⚫ 難しかった。

⚫ トラウマも治せると思いました。

⚫ とても貴重で興味深い内容でした。実際に同様のケースを沢山見てきたので、精神科の先生の見解を聞けて参考になりました。

⚫ トラウマの治療をしていただける病院を探すことは本当に大変なのだと理解しました。

⚫ 先生の本を読む以上の学びが得られたと感じました。貴重な機会をありがとうございました。

⚫ 先生の時間がないのが残念。

⚫ トラウマの深さ・対処、一般の精神科医の対応の難しい問題だが、身近な問題だと思った。

⚫ 知識不足で参加したため、充分な理解は得られなかったが、大変興味深い内容だった。

⚫ 具体的にどう対応したらよいかを教えていただけたのが有り難いです。

⚫ 里親になって 28 年、ファミリホームを立ち上げて 10 年が経ちました。現在 6 名の子供たちを養育しています。子どもたちは全員被虐待児です。 本日お聴きしたことを参考にして対応していきたいと思います。ありがとうございました。

【お詫び】マイクの不具合により、聞き取り難かったという声を頂きましたことについて、充分な対応が出来なかったことをお詫び申し上げます。

 

2025 年度会費納入のお願い

会員の皆様には、日頃から NPO 法人いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい の活動にご理解を頂きまして、ありがとうございます。

あいは、会員の皆様の会費と活動に賛同して下さる皆様からの温かい寄付によって 活動しております。あいの活動を継続していくために、本年度(2025 年度)会費を納入 いただけますようお願いします。なお、既に納入頂いた会員様には心より感謝し、お 礼を申し上げます。


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口 座 名:いばらき子どもの虐待防止ネットワークあい

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・正会員の方は、総会に出席し、決議権があります。
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◎オレンジライン
相談電話番号:029-309-7670

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毎週月・水・木曜日:10時~15時(休み:祝祭日、年末年始、お盆期間)

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